0、予備式イーベイシー

予備式は、太極拳が始まる前の準備動作です。太極拳の套路を上手にできるかどうかは、準備動作が重要です。準備動作ができたら迅速に太極状態(全身がリラックスして気持ち良く、動作に集中できるような状態)に入ることができます。 太極予備式は無極式とも呼ばれ、王宗岳の『太極拳論』によると、「太極は無極から生じる」とあります。だから太極拳は無極式から始めなければなりません。

要領は南に向かって、リラックスして立ち、心を静め、気を静め、体は真っすぐに、両手先は両足の外側にぶら下げ、両足つま先は前向きに、15センチほど間隔を開きます。頭頂は真っすぐ上に、顎は少し引き、舌は口蓋(上顎)に当て、両眼は真っすぐ前を見ます。重心は両足の真ん中に置きます。

1、太極開始式タイチーチーシー

第一動 左足横移動

上半身のかたちは変わらず、右足を軽く曲げ、重心は右足に移動します。左膝を上げて左足首をゆるめ、左横に移動し、足の親指を接地、両足幅は肩と同幅で前方を見ます。このとき右の肩井穴を意識します。

第二動 両足が平行に立つ

左足の親指から小指、足裏、かかとまでを順次着地します。同時に重心が両足の真ん中に平行移動し、視線は変わらず真っすぐ前で、両手の指先を意識します。

第三動 両碗を前に持ち上げる

両手の指先を少しゆるめ、両腕は自然に前上方に上げます。手首を持ち上げ曲げながら上げ、高さは肩の高さと同じ、幅も肩と同じ幅にします。指先をゆるめ、両掌の中心(労宮穴)を意識します。重心(真ん中)と視線(真っすぐ前)は変わりません。

第四動 両掌を下に抑える

両手の指先が前方に伸び、両膝をゆるめ身体をしゃがめます。膝先と両足つま先は一直線で地面と垂直になり、抜頂、松肩、含胸、松腰、収束殿(頭頂は真っすぐ上に向き、肩をゆるめ、胸を少し引き、腰をゆるめ、お尻を後ろに突き出さないように)にします。重心は両足の真ん中にあり、同時に、肘を下げて両掌を下に押し、両足ふとももの外側で、手のひらを下に向けます。視線(真っすぐ前)と意識(労宮穴)は変わりません。

2、揽雀尾ランチュウエィ

第一動 左虚歩、左に七つの星(手2・肘2・肩2・首の7つの関節)を抱く

腰をゆるめ、重心を右に移動し、尾骶骨は右かかとの上方に移動し、同時に両手を前上方に出し、左人差し指から、掌心を回転させて上げ、親指を鼻に向い合せます。右人差し指も左肘の内側に導き、手のひらを下に向けます。左膝を上げて前方に一歩踏み出し、膝を自然に樂に伸ばし、かかとから着地し、つま先が反り返って、左虚歩となります。視線は親指の上から平視し、意念は左掌心(労宮穴)にあります。

注意点はお尻を後ろに出さないよう、肩をリラックさせ肘を沈めて、頭頂を上に向けるように意識します。

第二動 左弓步、右掌打出す

左つま先を着地して、左膝を曲げて重心を前に平行移動します。(膝の先がつま先を超えないようにします)後ろ足がまっすぐになり、左弓歩となります。

同時に左腕は曲げて、胸前方に横になり、掌心は内向きになります。同時に、右掌心で左手首動脈に向けて前に押し、指先は上に向け、人差し指は鼻あたりの高さで、両眼は前方を平視します。意念は背中にあります。

注意点は胸を少し引いて、背中を丸くするとともに大椎穴を上に伸ばすように、肩を緩めて肘を落とします。

第三動 右虚步、右に七つの星(手・肘・肩・首の7つの関節)を抱く抱七星

右掌が右前上方に移動し、左掌が徐々に移動し、左中指が右手首の動脈に触れ、右掌面が下向き、左掌面が上向きになります。この時左つま先を上げて、左足右掌は右前上方になってから親指を軸に掌心を回転させて上げ、親指は鼻の先に向かいあわせます。

同時に左掌は右腕に沿って回転しながら右腕の曲がったところまで降ろし、掌は下を向きます。回転すると同時に、右足の踵を緩めるように持ち上げて、右膝を上げて、踵を軽く着地して、右虚歩となります。親指の前方を見て、意念は右労宮穴にあります。

第四動 右弓步、左掌打出す

右肩・右肘を緩め、右肘を90度曲げ、胸の前に横にし、掌心を内に向けます。同時に、左手を移動し、掌心を右手首の動脈に当て、肩をゆるめて肘を落とします。

同時に重心を前に移動し、右つま先を落とし、右膝を曲げ、左掌を押し、膝の先がつま先に揃い、左脚を伸ばし、右弓歩となり、左掌の人差し指は鼻の高さです。

前方を目視し、意念は背中にあります。

第五動、右虚歩、右掌回転&引き

右掌を指先から右前方に伸ばし、掌心は回しながら下に向け、左掌はそれに従って掌心を回転させて上がり、左手の指先は右手首の動脈に軽く触れ、両掌を右前方に回転させた後、体の後移動を開始します。重心はすべて左足にあり、同時に右足はまっすぐで、つま先は反り返って、右虚歩となります。

次に後移動すると同時に、右肘は力を緩め、両掌は円を描いて右腰に戻って、左掌が腹部に触れた後、両掌は回転し始めます。両掌は引き続き体の右側へと移動し、臍の位置で、右掌心は上に向かい、左掌心は下を向き、腰を緩め、胸を少し引いて、背中を丸くするとともに大椎穴を上に伸ばすようにします。

視線は常に右手の人差し指の先を見つめます。意念は右掌心(労宮穴)にあります。

第六動 右弓步、右掌を前に突き出す

右掌は人差し指から、左の円軌道をたどって、人差し指が鼻の先と同じ高さまで、前上方に突き出します(腰を緩め、肩を緩め、肘を下げる)。同時に重心が前に移動し、右つま足を着地します。膝を曲げた時、膝が足の先を超えないようにします。左足がまっすぐになって、右弓歩となります。右掌が上、左掌が下になり、左人差し指が右手首の動脈から離れません。

右掌の指先を目視します。意念は右掌心(労宮穴)にあります。

第七動 右虚歩 右掌を後ろに振る

前の動作に続けて、そのまま右掌は人差し指から、右後方に円を描いてリードし、同時に右肘を緩めて肘を曲げ、視線、親指、中指は一直線となります。

同時に、左膝を緩め、後ろに座り、重心は左足に移動し、右足はまっすぐで、つま先は反り返って、右虚歩となります。意念は右掌心(労宮穴)にあり、腰をゆるめて座り、肩をゆるめて肘を落とし、胸を少し引いて、背中を丸くするとともに大椎穴を上に伸ばすようにして、頭頂を上に向けるように意識します。

第八動 右内八歩(八の字の足形)、右掌前斜め押し

腰をゆるめ、右肩をゆるめ、右肘を沈ませ、右手指先を立てて、人差し指を右の口元を通って前に押し、掌を引き寄せると同時に身体を右に回転させます。右つま先を踵を軸に90度回転させ南(正面)を向きます。

右膝を緩めて曲げます。左足をまっすぐにし、内八歩になるとともに、右掌は南西方向に押し、掌心は外向き、指先は上向き、左手は右手首の動脈から離れず、左掌心は後向きになります。

視線は右手の指先、意念は右掌心(労宮穴)にあります。

3、搂膝拗步ローシーオーブー

第一動、左虚点歩(つま先立ち)左掌下抑え


腰を緩め、重心は変化せず、左掌を左膝外側に押し、手のひらを下に、指先を前(東)にします。同時に右腕を緩め、右手を右耳のそばに収め、掌心を内向き、指先を前にし、肩を緩めて肘を落とします。


腰を緩めて左に回転し、左足のかかかとを緩め、つま先立ちになります。

左人差指を見て、左肩の肩井穴を意識します。

第二動、左弓步 右掌前押し


頭を上げ、左膝を上げ、左足を左手の下方に移動させ、踵から降ろしてから足先を降ろします。それから左膝を曲げ、重心を前に移動し、右膝を伸ばし、踵は外に蹴ります。つま先を東に移動し、左弓歩となります。


同時に、右手は薬指のガイドで前(東)に押し、掌心は前に、虎口は上に、親指は鼻の先に向かい、左掌は左大腿外側に移動し、 掌心は下に、指先は前にします。

右親指の前方を見つめ、意念は左手の労宮穴にあります。

第三動、左弓步 右掌下抑え


右掌は人差し指で導き、左脚前方、下に抑え、掌心は下に、指先は前にします。同時に左の肩、肘、腕を緩め、左手を左耳の横に持ち上げ、重心は変わらず、体は少し曲げます。

視線は右手の人差指にあり、意念は左手の労宮穴にあります

第四動、右弓步 左掌前押し


頭を上げて前方を目視し、頭を真っすぐにして、腰を立て、座り、右足を前に一歩踏み出し、前足が右前方45度線上に着地し、重心が前に移動し、足先を降ろし、それに伴い膝を曲げ、左足を伸ばし、右弓歩となる。


同時に、左掌は薬指で誘導し、前に押し、掌心は前に、虎口は上に、親指は鼻の先に向かい、右掌は外弧を通って右大腿外側に戻り、掌心は下に、指先は前を向きます。

左掌親指の前方を目視し、右掌労宮穴に意念はあります。

第五動、右弓步 左掌下押し


第三動要領とは逆。省略

第六動、左弓步 右掌前押し


第四動要領とは逆。省略

4、手揮琵琶ショーフィピーパー

第一動 左半虚歩 右掌引き寄せ

右膝は力をゆるめて膝を曲げて後に座り、体重の大部分は右脚に移動し、左足は少し屈曲し、足裏は全部接地しており、同時に右肩をゆるめ、右肘を沈ませ、右掌は胸の前10センチに戻り、掌心は左に向かい、指先は自然に伸ばします。左掌の形は変わらず、少し後ろに下げます。

前方を見て、意念は右労宮穴になります。

第二動 左虚步 左掌持ち上げ

前の動作から引き続き、体は後ろに座り、重心はすべて右脚に移動し、左膝は自然に伸ばし、左つま先は反り返ります。左掌は人差し指で誘導し、前上方に回転しながら持ち上げて、肘を沈ませ、腕を曲げ、手のひらを上げ、親指は鼻の先に向かわせます。

右掌は自然に左に回転し、人差し指を左腕の曲がったところに当て、手のひらを下に向けます。

注意:首を伸ばし顎を少し引きます。胸を少し引いてで背中を伸ばします。肩をゆるめて肘を沈ませます。腰をゆるめてお尻を引っ込めます。

第三動 左弓步 左掌下押し


左掌は人差し指で誘導し、右掌は右前方に向けて下に押し、掌心は下に向かい、掌と胸は同じ高さに、右掌は左掌に従って回転し、掌心は上に向けます。


同時に左つま先を着地し、左膝を屈曲し、右足はやや屈曲し、重心の大部分は左足にかけます。

視線は左人差指で、意念は左労宮穴になります。

第四動 自然步 左掌持ち上げ


前の動作を止めずに、左掌はすぐに小指から、掌を下向きで、左前上方に向けて振り出します。肩と同じ高さで、掌心を上に向けて、指先を目と同じ高さにします。右掌は左掌とともに移動し、同時に掌心を回転させて下に向けます。


左掌とともに体を起こし、右足を左足の横約15センチに降ろし両足は自然に立ち重心は両足の間におきます(自然歩)。起き上がると同時に、右掌を右脇腹に当てます。

視線は左の人差指で、左労宮穴を意識します。

5、野馬分鬃イエマフェンゾン

第一動 左隅虚歩、右掌持ち上げ


重心は右足に移動し、同時に膝をゆるめて座り、左足を出し、踵は45度線の後方に着地し、つま先は反り返って、左足は自然に伸ばし、左隅虚歩になります。


同時に右掌は人差し指で誘導し、右前から左後方へ弧を描いて顔の左横に停止し、掌心は外に、指先を上に向けるとともに、左掌は左上から小指で誘導し、左大腿上方に持っていきます。

視線は左前方 (東北)にあり、意念は右労宮穴になります。

第二動 左隅弓歩、左肩を左寄せ


左足のつま先を降ろし、膝を曲げ、重心が左足に移動し、同時に両掌を右足前方で合わせ、両掌が相対し、体の前に移動すると同時に、両掌を同時に開いていきます。
体を右に回転させ、左掌を左上に分け、掌心を上に、腕と肩を同じ高さにして、左肩を左に寄せます。


右掌は右下方に分かれて、掌は下に向け、掌と腰は同じ高さにして、掌心は右足の上に位置します。

視線は右人差指で、意念は玉枕穴にあります。

第三動 右隅虚歩、左掌持ち上げ


腰をゆるめ、体を左に回転させ、左掌を人差し指で誘導し、右後方に顔の右外側に戻り、 掌心を外に向け、指先を上に向けるとともに、右掌を回転させて小指から誘導し、前から左下方に向かい、弧を描いて左大腿上方に持っていきます。左の掌心は左に向け、指先は下に向けます。


両掌移動と同時に、右膝を屈曲させ、膝を上げて右前方45度線に踏み出し、踵を45度線後方に着地し、つま先は反り返って膝を自然に伸ばし、右隅虚歩となります。

右前方を目視し、意念は左労宮穴にあります。

第四動 右隅弓步、右肩を右寄せ

動作は第二動とは正反対。省略

6、玉女穿梭ユィーニーチャンソー

第一動 右隅弓步、右掌返し


体は東(前)に向き、同時に右掌を返して、掌心は下向き、指先は南東に向かい、同時に左掌も内向きに回転し、掌心は右に向かい、指先は下に向け、お腹の前に位置し、右足重心は変わりません。


視線は右の人指指です。右労宮穴を意識します。

第二動 左隅弓歩、左前腕外払い


右掌が東(前)に移動すると同時に、左掌は人差し指で誘導し、右肘下方に移動し、掌心は上向き、指先は右の上腕の下を通ります。同時に左足を引き寄せて、体を起こして、左膝を上げて左前方45度線後方に踵から接地します。


左掌は右腕下から前方に伸展するとともに重心が前方に移動し、左手首が右中指まで移動して、左つまを降ろし、左膝を曲げます。左右両掌を引き続き左前方(東北)に出して、左掌心が上向き、右掌心が下になります。左足に重心を集め、右膝を自然に伸ばします。


視線は左人差指に沿って移動します。左労宮穴を意識します。

第三動 左隅虚歩、左掌持ち上げ


左掌は人差し指で導き、円を描いて左上方に持ち上げます。掌心は右向き、指先は上向きになります。右掌は左前腕に沿って肘の内側まで滑らせます。掌心は外向き、指先は上向きになります。


同時に、体を後に移動して右足重心になり、左膝は自然に伸ばします。つま先は反り返って左隅虚歩となります。視線は左人差指を見ます。意念は左労宮穴になります。.

第四動 左隅弓步 右掌斜め押し


左つま先を前方 (東)に降ろし、重心を左足に移動させるとともに、左掌を頭上で小指を軸に親指を回転させ、指先を前方 (東)に向けます。右掌を鳩尾の前に落とし、手のひらを上に向け、指先を左に向けます。すぐに左膝を曲げ、右膝を伸ばし、左隅弓歩となります。


同時に両掌は東北方向に押します。左掌は頭の左上方、掌心は上向き、指先は右を向きになります。右掌を回転させ、左前方(東北)、掌心は前向きに、親指をのどの高さにします。 


視線は右親指の上方を平視します。意念は左の労宮穴になります.

第五動 右虚点步(つま先立ち) 両腕で抱く


腰をゆるめ、体は右後ろに回転し、同時に左つま先を約90度右に回転し南西に向き、重心は変わらず、右かかとを浮かします。同時に左人差し指を右肩先に誘導し掌心を下向きにします。右掌は左脇腹にもっていき掌心を上向きにします。


視線の右前方を見ます。意念は左肩井戸にあります。

第六動 右隅弓歩 右前腕外払い


右足は右後方に横に移動(西北)、いっぱいに伸ばし、踵は45度 線の後方に降ろします。その後、重心を前方に移動し、つま先は 45度 線上に降ろし、右膝を曲げ、左膝を自然に伸ばし、右隅弓歩となります。


同時に右掌は人差し指で誘導し、右後方(西北)に押し出します。 掌心は上、指先は前方、左中指を右手首の動脈につけて、掌心は下向きにします。


注意:肩をゆるめ、肘を落とします。視線は右人差し指の方向。右労宮穴を意識します。

第七動 右隅虚歩 右掌を持ち上げ(第三動の逆)

右掌は人差し指で導き、円を描いて右上方に持ち上げます。掌心は左向き、指先は上向きになります。左掌は右前腕に沿って肘の内側まで滑らせます。掌心は外向き、指先は上向きになります。

同時に、体を後に移動して左足重心になり、右膝は自然に伸ばします。つま先は反り返って右隅虚歩となります。視線は右人差指を見ます。意念は右労宮穴になります。.

第八動 右隅弓歩 左掌斜め押し(第四動の逆)

右つま先を前方 (西)に降ろし、重心を右足に移動させるとともに、右掌を頭上で小指を軸に親指を回転させます。左掌は鳩尾の前に落とし、手のひらを上に向け、指先を右に向けます。すぐに右膝を曲げ、左膝を伸ばし、右隅弓歩となります。

同時に両掌は北西方向に押します。右掌は頭の右上方、掌心は上向き、指先は左向きになります。左掌を回転させ、右前方(西北)、掌心は前向きに、親指をのどの高さにします。 

視線は右親指の上方を平視します。意念は左の労宮穴になります.

第九動 右隅虚歩 右腕を前に出す

腰をゆるめ、左膝を曲げて後に座り、重心を左足に移し、右膝を自然に伸ばし、つま先を上げます。同時に、両腕の力をゆるめ、右掌を円を描いて回転して前に伸び(西)、 掌心が上に、指先が前に向きます。左掌が後ろに下がり、人差し指を右肘の内側に合わせ、掌心を下に向けます。

視線は右親指の前方を見ます。右労宮穴を意識します。

第十動 右脚左移動 右腕で下に押さえる

姿勢は変わらず、右足は左側に横に移動して右膝に左膝を近づけ、踵が接地するとともに、右掌は小指で誘導し、左下の左大腿上方で右手の甲側で下に引き押さえます。掌心は左に、指先は下に向けます。

同時に左掌は人差し指で導き、右上の右顔外側に移動し、 掌心は右に, 指先は上に向けます。

視線は変わりません(西)。左労宮穴を意識します。

第十一動 右隅虚歩 右足右移動

上半身の姿勢は変わらず、右足は右に元の位置に戻します。

視線を右前方に向け、左の肩井穴を意識します。

第十二動 右隅弓歩 右肩右寄せ

5野馬分鬃の第四動の動作と要領は全く同じで、方向は逆の南西を向きます。

第十三動 右隅弓歩 右掌返し

第一動の動作と要領はまったく同じで、方向は逆の北西を向きます。

第十四動 左隅弓步 左前腕外払い

第二動の動作と要領はまったく同じで、方向は逆の南西を向きます。

第十五動 左隅虚歩 左掌持ち上げ

第三動の動作と要領は全く同じで、方向は逆の南西を向きます。

第十六動 左隅弓步 右掌斜め押し

第四動の動作と要領がまったく同じで、方向が逆の南西を向きます。

第十七動 右虚点歩(つま先立ち) 両腕で抱く

第五動の動作と要領と全く同じで、方向は逆の北東を向きます。

第十八動 右隅弓歩、右前腕外払い

六動目の動作と要領はまったく同じで、方向は逆の南東を向きます。

第十九動 右隅虚歩 右掌を持ち上げ

第七動の動作と要領はまったく同じです。

第二十動 右隅弓步 左掌斜め押し

八動目の動作と要領はまったく同じで、方向は逆の南東を向きます。

7、肘底看锤 ヂョウディカンツイ

第一動 左弓步 両掌下押し

右掌は人差し指で右前方に伸ばし、左足を前に一歩踏み出し、かかとを45度線に落とし、つま先を前に落とします。左足の膝を曲げ重心を前に移動し、右足を自然に伸ばし、左弓歩となる。

また、両掌は身体の左下に引き押し、右掌は身体の左前方、左掌は左大腿横、両掌心は下、虎口は前方に向けます。

視線の右掌前方(正東)を見て、意念は左の労宮穴にあります。

第二動 左虚歩 左拳前に出す

右膝をゆるめ身体は後に座り、左膝は自然に伸ばし、つま先は反り返って、左虚歩となります。同時に両掌を拳に変え、左拳は拳心を上に回転させ、右腕の上方を通って、前方上方に打出し、拳心は内向き、人差し指の中節(第二関節)は鼻の先に向かいます。

同時に右拳は左肘先の下、拳穴は上に上がり、重心は右足に集中します。

視線は左拳の上方を平視します。意念は右拳にあります。

8、金鶏独立 チンチードゥリー

第一動 左弓步 右掌前伸し

両拳とともに力をゆるめて掌を変化させ、右掌を人差し指で誘導し、左肘下から前方上方に差し出し、掌心を上にし、指先を前に目と同じ高さにします。左掌は指先を後ろに引いて右肘内側に付けて、掌心を下に向けます。

同時に左つま先を前に降ろし (東)、膝を曲げて、右膝を自然に伸ばし、左弓歩となります。

視線は右の人差指の先です。意念は右の労宮穴にあります。

第二動 左独立歩 右掌挙上

右掌は引き続き人差し指で上に導いて頭の右前上方に導き、肘は少し曲がって、指先は上に、掌は左に向けます。左掌は下腹前で下に押さえ、指先は下に、掌は右に向けます。

両掌を広げながら身体を伸ばします。右膝を前上方に上げ、つま先を下に向けて、左独立歩となります。

視線は真正面(正東)も向きます。左の肩井穴に意識を持っていきます。

第三動 右弓步、左掌前伸し

左膝がゆるめ、膝を曲げて、右足が前に落ち、先に踵、次につま先を順次降ろします。 重心が前に移動し、右膝を曲げて、左膝を伸ばし、右弓歩となります。

同時に、右肘が下げて、左掌を持ち上げて回転し、掌心を上に向け、人差し指で誘導し、右肘の後から、前方上方へと指し出(東)し、指先は眼と同じ高さにします。右掌を回転し、左肘内側に引き寄せ、指先は肘内側の付け、掌心は下に向けます。

視線は左の人差指の先を見ます。意念は左の労宮穴にあります。

第四動 右独立歩、左掌挙上

第二動の動作と正反対です。

9、倒攆猴 ドゥネンホウ

第一動 右独立歩 右掌下から前ヘ押す

右掌を回外し掌心を前向けて押し、指先が下になるとともに左掌を左の顔の横に降ろし、掌心が内向き、指先が前になります。片足立は変わらず、身体は少し前傾します。

視線は前下方にあり、意念は背中にあります。

第二動 右弓歩 左掌前押し

右掌は親指ガイドで左に移動して掌心を下に回転させ、左膝の前で右掌を回内し、右前へ弧を描いて右大腿外側 へ払います。右掌は下向き、指先は前向きになります。同時に右膝を曲げて、左足を後に一歩移動し、つま先から着地して、踵を平らにし、重心は右足のままで、右弓歩となります。

同時に左掌は薬指の導きで前方に押し出します。 掌心は前向き、虎口は上向き、親指は鼻の先にもっていきます。

視線は正面(東)、意念は右の労宮穴です。

第三動 右虚歩 左掌下押し 

左腕をゆるめ、左掌を右前下方に押します。掌心が下向きになり、同時に右腕も力をゆるめて、右顔の横に上げます。掌は内向き、指先は前に向けます。

同時に左膝を曲げ、重心を左足に移し、右膝を自然に伸ばし、つま先を立てて、右虚歩となります。

左掌は右つま先の真上に置き、上下に向い合せます。

視線は左掌の指先です。意念は左の労宮穴にあります。

第四動、左弓步 右掌前押し

からだを起こし、前を見ます。右掌は薬指から前に押し、掌心は前向き、虎口は上向き、親指は鼻の先にもって行きます。同時に左掌を左大腿外側へ引き払い、掌心を下向き、指先を前に向けます。

同時に右膝を上げ、右足を一歩後退させ、つま先から着地してから、踵を平らつけて、重心を左足に集中して、左弓歩になります。

視線は正面(東)にし、左の労宮穴を意識します。

第五動 左虚步 右掌下押し

右腕をゆるめ、右掌を左前下方に押します。掌心が下向きになり、同時に左腕も力をゆるめて、左顔の横に上げます。掌は内向き、指先を前に向けます。

同時に右膝を曲げ、重心を右足に移し、左膝を自然に伸ばし、つま先を立てて、左虚歩となります。

右掌は左つま先の真上に置き、上下に向い合せます。

視線は右掌の指先です。意念は右の労宮穴にあります。

第六動 右弓歩 左掌前押し

からだを起こし、前を見ます。左掌は薬指から前に押し、掌心は前向き、虎口は上向き、親指は鼻の先にもって行きます。同時に右掌を右大腿外側へ引き払い、掌心を下向き、指先を前に向けます。

同時に左膝を上げ、左足を一歩後退させ、つま先から着地してから、踵を平らにつけて、重心を右足に集中して、右弓歩になります。 視線は正面 (東)にし、右の労宮穴を意識します。

第七動 右虚歩 左掌下押し

第三動の動作とまったく同じです。

第八動 左弓歩 右掌前押し

第四動の動作とまったく同じです。

第九動 左虚歩 右掌下押し

第五動の動作とまったく同じです。

第十動 右弓步 左掌前押し

第六動の動作とまったく同じです。

10、斜飛式 シェフェイシー

第一動 右弓歩 両掌を分ける

体を少し左に回転させ、左掌を小指で誘導し、掌を回転させて、左(東北)前上方に伸ばし、虎口を前方に向けます。右掌は手首をゆるめ、掌を回内して右(南西)後方に伸ばし、虎口を下に向けます。

視線は左掌の方向。意念は左の労宮穴にあります.

第二動 左弓步 左掌下に払う

左掌は小指ガイドで回転して左下の右大腿上方に払います。掌心は右向き、指先は下に向けます。同時に右掌は人差し指で誘導し、円を描いて左上の顔外側に引いて、掌心を左、指先を上に向けます。

視線は正面(東)に戻します。意念は右の労宮穴にあります。

第三動 左隅虚歩 左足斜め前に

体の形は変わらず、左膝は力をゆるめ、膝を上げて左前45度後方に踏み出し、踵が着地し、左隅虚歩となります。

視線は左前方に向けます。意念は変わらず右の労宮穴です。

第四動 左隅弓步 両手伸ばす

両肘をゆるめ、右掌を降ろし、同時に左掌を人差し指で誘導して引き上げます。左足は足先を降ろし平らにし、両掌を胸の前で向き合わせ、左掌はやや高くします。

左掌は人差し指で導き、左(東北)前上方に伸び、 掌心は斜め上になり、同時に右掌は右後下方に伸ばし、 掌心は下に向きます。左右に伸ばした両腕は一直線になります。重心は左足に移動し、左隅弓歩となります。

視線が左の人差指を見ます。意念は左の労宮穴にあります。

11、提手上势 ティーショウシャンシー

第一動 右虚步 右抱七星:七つの星(手2・肘2・肩2・首の7つの関節)

重心は変わらず、体は右、正面(南)に回転し、同時に左足先は右に45度ぐらい回転し、右膝は力をゆるめ、踵は内転し、膝を上げ、踵は着地し、右虚歩となります。

同時に右掌を回転させて前上方に上げ、掌を上げ、指先を前に、親指を鼻の先に向けるとともに、左掌を人差し指で導き、上から正面(南)方向に降ろし、指先を右肘の内側に着け、掌を下に向けます。

視線は右親指前方 (南)。意念は右労営の穴にあります。

第二動 右弓步 左掌打ち出す

右つま先を前に降ろし、右膝を曲げ、左膝を伸ばします。重心は右脚となり、右弓歩になります。同時に右前腕を胸の前方に横にして、掌心が内向き、指先が左向きなります。同時に左掌心を右手首の動脈に合わせ、前に押し、指先を上に向けます。 視線は正面、前方を見ます。意念は背中にあります。

第三動 右弓歩 右甲打上げ

右掌の五指を集めて(鈎手)、前方少し右よりに上げます。体は腕を上げるに従って伸びて、同時に左掌を下に臍まで押して、指先を右に向けます。

視線も意念も右腕にあります。

第四動 自然歩 右掌押上げ

右の鈎手の力をゆるめ、 掌に変え、小指で導き、掌心を上向きに反転させ、指先を左に向け、中心線に持っていきます。左足は右足と平行に移動し、15センチほど間隔を置きます。重心は両足の間、自然歩となります。

視線は右の人差指。意念は右の労宮穴です。

12、白鹤亮翅  バイフーリャンチー

第一動 自然歩 身を伏せて掌で抑える

視線は右の人差指から離れず、徐々に身を伏せ、右掌は肩の高さまで下ろし、掌心は外向きにします。この時、視線は左の人差指に移し、左掌はできる限り押し続け、掌心は下に向きにします。両足は伸ばしたままです。

意念は左の労宮穴にあります。

第二動 自然歩 上半身を左に捻じる

腰をゆるめ、左腕の力を緩め、指先を垂れ下げ、左足外側に移動し、左つま先を過ぎて、掌心を外(東)に回転させるとともに、上半身を左掌に従って左に捻じります。右掌は頭の上で変わりません。

視線は左の中指です。左の労宮穴を意識します。

第三動 自然歩 左掌挙上 

両膝ゆるみ、腰に少し力を入れて、左掌を中指で誘導し、左上に持ち上げると、左掌に従って身体が徐々に立ち上がります。腕が肩と同じ高さの時、手を回して頭の左前上方 にして、掌心を前向き、指先上向きになります。

右掌を身体に合わせて立ち上がり、右前上方に上げ、掌心を前に、指先を上にして、同時に両腕の肘をゆるめます。

視線は前上方に向けます。意念は両掌の労宮穴にあります。

第四動 少ししゃがみ 両肘落とす

両膝は力をゆるめて、ゆっくりしゃがみ、同時に肩肘背腰は力をゆるめ、両掌は小指で誘導し、内に回転して下ろします。両腕は肩と同じ高さで、肩より少し広くします。両手の掌心を内向きにし、指先を上に向けます。お尻を収めます。

視線は正面です。指先を意識します。

13、収式 ショウシー (太極還元)

第一動 少ししゃがみ 両指先を合わす

からだの形は変わらず、両掌は中指で誘導し、胸の前に合わせ、両前腕は平行で、掌心は下に向けて、両指先は向い合わせます。頭は少し下に向きます

視線は両中指の間を見つめます。意念は両掌の労宮穴にあります。

第二動 自然歩 両掌下抑え

肩をゆるめ、両掌を丹田まで押し下げ、それから身体の両側、大転子辺りに収め、掌心を下にし、指先を前にします。両掌を下に押すと同時に頭を持ち上げて、百会を上方に引き上げ、からだを伸ばし、膝をゆるめて立ちます。

視線は正面。意念は両掌の労宮穴にあります。

第三動 自然体

気を静め、息を整えて、意識を両手指先に移し、十指をゆっくりと力をゆるめ、垂れ下げて、掌心を内に向け、肩をゆるめ、百会を引き上げ、身体を少し伸ばして、自然体になります。

以上、丹東呉式太極拳37式の第一路の説明となります。より良いものに仕上げたいと思いますので、多くのご教示を頂ければ幸いです。